カネボウと資生堂/ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

カネボウと資生堂

カネボウ化粧品と並んで日本を代表する化粧品メーカーといえば資生堂だ。
資生堂の発祥が薬局であったことは広く知られている
以下wikiより引用
1872年(明治5年)9月17日 – 日本初の洋風調剤薬局として福原有信が東京・銀座に「資生堂薬局」創業
1880年(明治13年) – 育毛剤の販売開始
1888年(明治21年) – 日本初の練歯磨「福原衛生歯磨石鹸」発売
1897年(明治30年) – 化粧品業界へ進出、高等化粧水「オイデルミン」発売
1902年(明治35年) – 東京・銀座の資生堂薬局内に、日本ではじめてソーダ水とアイスクリームの製造と販売を行う「ソーダファウンテン」を開設、後に資生堂パーラーに発展 ・・・・引用終わり

福原義春さんは、明治以来の資生堂を福原一族の一員として牽引してきた企業人で、すぐれた読書人でもあり、また洋の東西をつぶさに見聞してきた文明人である。
福原義春さんの作品一覧・Amazonへのリンク

今回、事件を起こしたカネボウ化粧品にこういう「文明人」がいるとは思えない。僕の薬局では長年カネボウ化粧品を扱ってきたが、ちゃらした人間しかいない会社だと確信している。取引を止めたのには、カネボウ化粧品という会社の風土がもたらす社員の行動・言動の耐え難い軽さもあった。

薬局から起業し発展した企業にこうした立派な人物がいることが、僕としてはちょと誇らしいが、
では今の薬局界にこうした立派な人物がいるか、というとこれはちょっと・・・・

ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

ディオバンの事件で思いだすのは「ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実」篠原出版新社 2300円 
著者のマーシャ・エンジェルは ニューイングランド医学雑誌前編集長 現・ハーバード医学校社会医学科上級講師

本書は製薬会社の真実の姿を白日のもとにさらしていく。それは製薬業界という、本来は役に立つ薬を作り出すという高い志を持っているはずの業界が、この二〇年間で、その志とはかけ離れたことをするようになってしまったことを明らかにすることである。

筆者は二十年間にわたりニューイングランド医学雑誌で、医学研究に製薬業界がいかに影響を与えているのかをまの当たりにしてきた。その方法は筆者が同誌で仕事を始めた頃にはまったく使われていなかった手口である。

いまさら驚くようなことでもないが、薬の臨床試験にはバイアスがはびこっている。最近の研究によると、製薬会社がスポンサーとなって実施された臨床試験では、NIHがスポンサーとなって実施された臨床試験よりも四倍も、その製薬会社の製品に有利な結果が出ている。

大手製薬会社の立場で考えてみて欲しい。開発した薬がごく限られた用法についてのみ承認を得られたとしよう。例えば、二十五万人程度の疾患で承認されたとする。どうすればこの薬を大ヒット薬に変えることができるだろうか?
方法は二つある。一つは、承認をとっていない疾患について臨床試験をすること。もう一つの方法は、単純に承認以外の方法(適用外使用)として使ってもらうようにして販売する。本来は違法である。FDAの承認を得るための試験の実施基準レベルを下回るレベルで研究し、良かった結果だけを「教育」と称して医師に伝えればよい。そうすれば法律の網をかいくぐることができる。「承認外の方法を謳って販売してはおりません。単に研究結果を医師たちに伝えているだけです」と言えば良い。医師はいかなる薬であろうとも合法的に処方して良いのだから、医師が承認外の使用をする分には問題ないのだ。しかし、これはニセ研究かつニセ教育であり、実際には違法なマーケティング活動なのである。

日本語版の初版が2005年
この本は世界的なベストセラーとなり、TIME誌は世界で最も影響力のある人物25人の一人に著者を選んでいます。それだけ多くの一般人が、この暴露により産業の構造を知っているというところが、薬局出働く僕にとって長年の恐怖でした。
製薬業界ではこの批判を受けて改善の為の努力をしてきたことは知っていますが、今回のディオバン事件でノバルティス社は、すべて無に帰すような犯罪をしてしまったと僕は思います。

日ノ出町駅から徒歩1分、まちかどの薬局 日の出薬局 高橋洋一

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