健康と医薬品

健康のために使う医薬品により、逆に健康を害してしまう。 サリドマイド、スモンなど幾多の薬害を経験して、私たちは医薬品や健康食品の安全性をどうした確保できるのかを考えてきました。食品はもちろんのこと、医薬品においてはさらに高度な安全性の確保が必要です。医薬品の製造承認や副作用防止にさまざまな手段が講じられていますが、新たな薬害や健康被害は次々に発生しています。

広がる模造医薬品

世界的に取引されている医薬品の10%はニセモノ、途上国では25%以上という報告があります。国内の調査でネット通販されるED(勃起不全)治療薬の60%がニセモノです。医薬品流通で模造医薬品の混入をいかに防ぐかが重要になってきました。
リンク: 英国MHRA(医薬品庁)インターネット販売

専門家と医薬品

企業や国家に任せても、自分の健康は守れないとしたら・・・頼るのは専門家ですが
その専門家の不正を監視する、一段と水準の高い専門家が必要になる。しかし、さらにそのまた上の専門家が必要になるので、限りなく水準の高い専門家がいなければならないが、その一番上の専門家が「絶対に不正をしない」ためには、その人が「哲人王」でならなければならないというのが、古代でプラトンが本気で考えたことだったといいます。

環境と医薬品

水道水の中に数十種類の医薬品が検出されています。
はたしてこれは安全なのか?日本薬学会130年会(岡山)で国立医薬品食品衛生研究所の先生方や分析の専門家と私も加わりシンポジウムが行われました。結論として、直ちに人体に有害とは言えないが、無視することもできないレベルであろう、ということでした。 欧州では使われなかった医薬品の廃棄について回収やコスト負担の枠組みに関する議論が 始まっているそうです。治療上の必要があって人体を通った医薬品は仕方がないとしても、せめて使用されず廃棄される医薬品が環境に影響しないよう配慮する必要があると考えます。

自分の健康は自分で守る

夜間の発熱などで救急医療を安易に利用せず、軽症ならば家庭に常備薬を置くことで対処が可能なはずです。一方、報告がなされていないだけで、一般用医薬品による副作用被害は沢山発生しています。
さらに使い方の難しい医療用医薬品では、専門家が重大な病気や副作用症状を見落としていないか、倫理的に正しい医薬品の使い方をしているかどうか、信頼できる専門家に相談しながら治療を進めましょう。

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