プロフェッショナル・オートノミーの潜在的な侵害/正月飾り

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プロフェッショナル・オートノミーの潜在的な侵害

かかりつけ薬剤師のハードルは高いか?

 薬剤師が開設者である薬局と非薬剤師が開設者である薬局がある。
かかりつけ薬剤師の制度化は、薬剤師が開設者である薬局に有利で、非薬剤師が経営者である薬局に不利である。
 そこで、かかりつけ薬剤師のハードルは高いという批判が、非薬剤師の経営者から出る。

薬局経営権の自由化

欧州諸国においては、2008年当時、薬局経営権を薬剤師に限定する正統性に異議を唱える訴訟があった。これによりの既成を自由化する企てが明らかになった。

プロフェッショナル・オートノミーの潜在的な侵害

カマル・ミダー会長(Dr. Kamal Midha )はFIP開局部会(CPS)にこの状況の評価を依頼した。CPSは会長に対する部外秘の報告書を提出した。

欧州裁判所の判決と判決理由、

薬剤師の薬局経営権に関連して、欧州裁判所は2009年5月、判決(C-17107)において非常に断固たる判決理由を述べた。
薬剤師の資格を有する経営者も他者と同様に利益獲得の目的を遂行することは否定できない。しかし、純粋に経済上の目的でなく専門職の観点から薬局を経営すると推測される。
薬剤師の資格を有する経営者は、違反行為が自らの価値を下げると考え、個人的利益では、研修、経験、責任を重要視する。

非薬剤師には薬剤師と対等の研修、経験、責任が欠如していることは当然である。従って、非薬剤師が提供する安全は薬剤師と同じではない。
欧州裁判所は「薬剤師の資格を持たない経営者が、もはや在庫しても利益にならない医薬品を売り切るように勤務薬剤師に推奨することにより勤務薬剤師の独立性を損なう傾向があるかどうか」の判定は加盟国によるものと指摘した。

さらに「利益獲得において非薬剤師の利益が自営業の薬剤師と等しくなるように調整されないのであれば、また、薬剤師が非雇用者の場合に、経営者の指示への反対が困難になるのであれば、薬剤師の専門職としての独立性を確保する法規制が遵守されないリスクがある」と加盟国は判断できると述べた。

かかりつけ薬剤師の制度化という政策
公共政策という理念を失った日本の調剤ビジネスに対して、世界標準である薬剤師のプロフェッショナル・オートノミーに合せて行く、政策の大転換が行われることになる。

正月飾り

薬局のはす向かいに、町内の鳶(とび)が小屋掛けで正月飾りを売っています。今ではスーパーで買う人が多いと思いますが。私は鳶さんから買います。

以下wiki
町鳶、町場鳶とも言われる。古くから日本各地では相互扶助の単位として町あるいは町場という共同体があり、江戸時代までは都市部の公的な自治単位として多くの権限を有していた。都市部の庶民のまつりごと(自治、祭礼)は伝統的にこの単位で行われ、その慣行が今でも残っているところも少なくない。こうした自治の場で町鳶は冠婚葬祭の互助活動などや消火活動(町火消)、祭礼(山車・神輿の作成)、橋、井戸の屋根、つるべや上水道の枡、木管や下水道のどぶ板といった町内インフラストラクチャーの作成、保守などを、町大工(大工)と協力して担ってきた。現代で言えばインフラストラクチャーを大工が作りイベントを鳶職が行ったといえる。普請においてその町に住む者はその土地の鳶職を使うのが不文律でありそれをたがえる時はそれなりの理由と挨拶が欠かせなかった。またこの様なことは鳶職に限ったことではなく町の中でお金が循環するという相互扶助でもある。しかし町の中でも商店や職人を積極的に贔屓にするが、不文律の拘束は弱く、町鳶、町大工、町火消しなどの「町」を冠する職方には我々の町の、という誇りを込めたニュアンスがある。(引用ここまで)

町内のインフラストラクチャー
かかりつけ薬剤師と共通するインフラ。町内の相互扶助、地域包括ケアと同じ考え方ですね。建設、土木、祭礼が鳶職、保健、医療、介護がかかりつけ薬剤師です。われわれの町の誇りを込めて。

日の出町駅すぐの日の出薬局 高橋洋一

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