緊急避妊薬 4000筆の署名を添えて日本薬剤師会、厚生労働省へ要望しました

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緊急避妊薬 4000筆の署名を添えて日本薬剤師会、厚生労働省へ要望しました

避妊の失敗・無防備な性交の後に服用し、妊娠する確率を下げる「緊急避妊薬(アフターピル)」は、すでに多くの国で市販薬(OTC)として販売されています。
日本では今も、医師(主に産婦人科医)に処方してもらう必要があります。なるべく早く服用すべき医薬品であるにも関わらず、地理的・時間的・金銭的なハードルが緊急避妊薬へのアクセスを妨げています。
緊急避妊薬を市販薬にできるか検討した厚生労働省の会議では、『医療機関では薬の交付時に性教育を行えるが、その機会が失われる』などの指摘があり、市販薬化は見送られました。
もし市販薬にするのであれば、との問いに対して、日本産科婦人科学会からは「OTCではなく、BPC(Behind the pharmacy Counter)とすべき」
※BPC:薬剤師が直接管理・保管し、販売時には薬剤師によるコンサルティングを要する薬との意見が提出されています。
学校教育だけではなく、生涯にわたって性教育・学習の機会が保障される必要があることは、国際的には常識です。産婦人科医や看護師、助産師など医療者との面談は、その重要な機会の一つであり、避妊や性感染症予防を含む知識・ケアが提供されています。
日本では、市販薬を「医師にかからず購入できる安全な薬」として規制緩和し、市場に委ねています。市販薬を買うという行為を「学習・相談の機会」だと認識することは、多くの人々にとって簡単なことではありません。
実際に、薬剤師から購入する必要がある市販薬「要指導医薬品」「第一類医薬品」であっても、「病院に行かず、自分で治せる」といったニュアンスで広告・宣伝されています。
諸外国で活用されるBPC医薬品には相当しません。
主に病院などで処方される「医療用医薬品」には、「処方箋医薬品」と「処方箋医薬品以外の医薬品」の二つの分類があります。
処方箋医薬品は医師による処方が必須ですが、「処方箋医薬品以外の医薬品」は、市販薬で対応できず、また病院を受診することもできないなど合理的な理由がある場合には、必要な状況聴取・助言といった介入のうえ、処方箋なしで薬剤師が選定し、提供することができます。
日本の医薬品分類でBPC医薬品に相当するのは、「処方箋医薬品以外の医薬品」です。
女性の多くがかかりつけの婦人科医を持ち、関係性を築いている欧米諸国と、婦人科へのハードルを感じ、受診を躊躇する女性が少なくない日本の相違は、いまだ大きな課題として残されています。
緊急避妊薬は、全ての女性に提供され、また女性自身が主体的に取り組むべき「包括的な健康管理・支援」の一部分に過ぎません。「単に薬が手に入ればよい」とするのではなく、緊急避妊薬を必要とした女性に寄り添い、他の避妊方法に関する情報、必要な場合の受診勧奨など、「信頼をともなう関係性」が提供される必要があります。
緊急避妊薬に関するアクセスの拡大が、女性と医療者の「分断」を助長するものであってはなりません。
私たち薬剤師には、地域の生活者が必要とする医薬品を提供するとともに、的確な医療・健康に関する知識を伴って利用者と関わり、自己決定を支援すべき責務があります。
緊急避妊薬の分類を「処方箋医薬品」から「処方箋医薬品以外の医薬品」に変更し、薬剤師が処方箋を持たない女性にも緊急避妊薬を提供できるようにしてください。
私たちは、『医療者としての信頼』を社会に提示する必要があります。
そうでなければ、薬局の利用者が薬剤師を信頼して相談し、共に考える関係性を築くことはできません。

日の出薬局 薬剤師高橋洋一

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