ジェネラリストと専門薬剤師/インフルエンザ警報

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ジェネラリストと専門薬剤師

薬剤師教育において、まずジェネラリストとしての教育を行い、その後に専門領域を教育する、というのが多数意見だ
しかし、医師と違って薬剤師の完成形はやっぱりジェネラリストだと僕は思う

狭い領域の専門薬剤師のほうが、むしろ手っ取り早く養成できる
合理的かつ効率的な教育方法や学会認定、診療報酬のインセンティブも効果があるだろう

それらの専門領域を、浅くではあっても横断的に学び、
さらに社会や経済の仕組み、医療政策、社会保障制度などの知識や
地域社会で生きる常識や振る舞いを身に着け、
豊かな人間性や倫理観を持って患者に接することのできる人を薬剤師の完成形する
そういう人物をして公衆衛生の向上のために貢献するのだ、としたら
到達には数十年の研修期間を要することになる

目先の利益や世代間の利害を超えて、生涯薬剤師という職業に就くとすれば、僕は高いレベルのジェネラリストを完成形に持ってきたほうが、薬剤師全体の得だと思う。

インフルエンザ警報

インフルエンザの流行で一次救急医療がたいへんなことになっている
診察まで3時間待ちとか、その後も薬に何時間も待たされ
薬剤師は深夜0時で終了予定の仕事をが明け方まで続けたとか、
抗インフルエンザ薬が足りなくなって手配したとか・・・

しかし、この救急の患者さん達はほんとうに抗インフルエンザ薬が必要なのか
米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention, アメリカ疾病管理予防センター)が提唱する抗インフルエンザ薬を使用すべき対象は、

・入院を必要とするような重症な人
・65歳以上の人、5歳未満、特に2歳未満の小児
・妊婦
・気管支喘息、糖尿病、慢性の心臓病など持病がある人、HIVなどによって免疫力が落ちている人

ほとんどの方が該当しない患者さんで、ほとんどの医師はそういう方に抗インフルエンザ薬の処方を書いている。こうした乱用が導くのは耐性ウイルスの出現だ。
鳥インフルエンザへの恐怖がマスコミで喧伝される一方で、抗ウイルス薬の乱用は耐性ウイルスが増産されているようなものではないか。
世界のタミフル使用量の75%は日本で消費されている。
この異常さはどこから来るのだろう。

日の出薬局 薬剤師 高橋洋一

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